『9階団地のスーパースター』、昨日はあまりにも自分の思い出ばかりを書いてしまったので、舞台を観た感想を改めて言葉にしたいなと思います。
文字にすると陳腐になるのが本当にもどかしいですが、受け取った感情を閉じ込める気持ちでまとめます。
観劇初心者、ずぶずぶのずぶの素人による「舞台から受け取った感情置き場」でしかないので、それでもお付き合いいただける方はよろしくお願いいたします。
昨日と同じでネタバレたくさんのただの独り言です。文章にもなってないのでそのうち直すと思います。
大人と子供のピカイチについて。
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★輝一
「くすぶっている」という言葉では収まりきらないほどの鬱屈とした感情。
ピカイチは別にちやほやされたくてスターになりたいわけじゃないんだろうなというところが、等身大で刺さった。
特別になれない自分が悔しい気持ちは誰だって持っている気がする。
兄弟って「一番最初に体験する一番小さな社会」だと私は思っていて、その社会の中でずっと敗者だという感覚が染み付いて抜けない感じ。
自分を手放しに肯定してくれる母がいなくなったことで拠り所を失って、真っ暗な海の中を手漕ぎボートで必死に渡ろうとしているような。
前に進んでるのか後ろに戻っているのかもよくわからない恐怖感のようなものを感じた。
この団地すらなくなってしまったら、いよいよ自分は海に投げ出されて何者にもなれなくなってしまうと思っていたのかなと勝手に想像する。
ブッチャーのことを語る輝一は無邪気な子供の表情で楽しそうで。大人のピカイチはずっと迷子だったんだろうな。
大人になってからの方が、自分が迷子になる感覚を全身で感じることが多い気がする。
生きるために自分の足で立って立ち向かわないといけないから。
自分で一つの道を掴み取るまでのピカイチはずっと瞳がうろうろと定まらなかったけど、団地に別れを告げる場面ではまっすぐ前を見つめていたのが印象的だった。
いつも2.5次元舞台でキラキラと輝いている山﨑くんしか観ていなかったので
あまりにも艶消し(?)が上手すぎて、表情や立ち姿ひとつひとつから感じるものが多すぎて目が離せなかった。
★子供ピカイチ
「大人のぼくも相変わらず泣いていますか」の歌い出しの声がすごくグッときて
毎回その曲が流れるたびに泣いた。
自分だって何かになれるんだという期待と、光る物を持っていないかもしれないと少しずつ諦め始めている気持ちがずっと共存しているような感じがして、哀しいけれど愛しいような。
最初から諦めていた方が、受ける傷が小さくて済むと思っているのかなと。
ものすごく心優しい子なんだなというのが体全体から伝わってきて、ずっと可愛かった。
「優しい」と大人になってから生きていくのちょっと大変だよね。打算とか駆け引きとかが苦手で要領よく生きられない感じ。切なくて胸がきゅんとした。
小越さんNGT48の方らしいということ以外何も存じていなかったので終演後調べたら、センターも張ってるバリバリの現役キラキラアイドルでギャップが凄すぎて脳がバグった笑
「ポンコツな君が好きだ」と「しそうでしないキス」のMVめちゃくちゃ可愛い。
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ちなみに本編で、お母さんが漫画の中で元気になるたびに泣きました。
漫画の中のお母さんが突然元気になるのはピカイチの願望で、同時にお母さん自身の願望だったんだろうなと思っています。
いろんな感情が巻き起こって、それなのに回を追うごとにアドリブがとんでもないことになっていって後半情緒がおかしくなって泣き笑いで観劇しました笑
素敵な作品だったなあ……また生で観る機会がありますように。